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平成18年2月11-12日
参加者:M, N, dani
エリア:戸隠P5
ここ数年、冬季クライミングから遠ざかっていたが、久々に雪との格闘をしたくなってきたのでR&Bで募集したところ、MさんとNさんが参加してくれることになった。行き先は登ったことの無いところならどこでも良かったが結局P5に決定した。
動画(動画中のコメントにはウソが含まれますので注意)
<2/11>
4:30 合庁集合
5:30 品沢高原
6:20 林道へ出発
7:00 大沢出合
8:10 二股
10:00 P5のつもりでP4を登り始める
11:30 1ピッチのぼり視界が良くなってきたところでP4を登っていることに気づく!
14:00 P5に着く(PVIIIの基部、ナイフリッジを渡ったところ)
15:45 PVIII下の小岩壁下まで2ピッチFIXし、行動終了(最高到達点)。テン場に戻る。
16:30 テン場着
20:00 就寝
4時半に合庁に集合。時間ビタビタにつくが、すでにみんな来ている。すばらしい。Nさんの車に乗らせてもらい、品沢高原に向かう。気温は高く、天気はよさそうだ。明日はあまりよくないらしいが・・・
品沢高原に着くが、暗くて林道の入り口がよく分からない。前回きたときはまったく迷わなかったのでちゃんと調べていなかった。しかしMさんの記憶によって林道に無事入ることができた。多分、分かりにくかったのは雪の壁が高いため林道の入り口が全く見えなかったからだろう。
林道に入ってすぐわかんを付け、林道を進む。脛くらいのラッセル。やがてP3の取り付きを過ぎ、大沢出合につく。
R&Bでは3月の記録がほとんどでありアプローチは大沢経由で登られているが、厳冬期は雪崩のため大沢アプローチは危険であるとされている。大沢出合付近で雪の断面を見て、気休めだがシャベルテストをしてみる。80cmくらいまで掘ったが顕著な層構造は見られないので注意しながら登ることとする・・・
大沢出合からは左岸側を慎重に登る。表面が(サン?)クラスト状で硬いが、踏むと崩れぼこっと沈む。なかはパウダーではないがしまり雪ほどしまっていないサイテーな雪質。表面のクラストはいったん膝やアックスで叩き割ってから登る必要があり、普通のラッセルより消耗する。二股付近まで来ると、ガスが出てくる。尾根は見えない。二股の上にさらに二股が出てくる。大滝は雪の下で見えず、どちらに進むか迷う。トポと地形をにらめっこするが結局、左に行くとプラトーに行くのかな?という判断で右に進む。しかし、後で分かったことだが二股の真ん中はP4尾根なのだった。
さらに谷をつめていく。大沢の下部から二股くらいまではデブリがあったが、最近のものは無い様子。
どんどんつめて行き、ここまでだろうというところで尾根に取り付く。尾根にはキノコがニョキニョキすくすくと育っており、これではまるで厳冬期の荒沢尾根みたいだねと、Mさんと顔を見合わせる。3段がさねのキノコに取り付くが2月なのでやわらかく、足場が得られない。さらにアックスも効かないので登れない。じたばたするがキノコはあきらめて右側の草付をダブルアックスで突破する。上にあがり50mいっぱいにロープを伸ばし急な雪壁を抜けたところでスタンディングアックスで2人を迎える。ビレイしているとガスが抜け始め周りの景色を眺め始めてハタと気づく。隣に見える尾根はP3、反対側には大沢を挟んで長い尾根が下まで続いている。ムムム、我々が今登っているのはP4ではないか?しかもこれから登ろうとしている壁は、登山体系に「絶望的な様相で立ちはだかる」と書かれる第三岩壁ではないか?(写真下)まさかこんな形でキミに会うとは思わなかったよ・・・オヨヨ。

結局、P5側の大沢に懸垂下降し、再びP5に向かう。下降するのはいやなのでルンゼをつめるがどうやらP5のPVII上部のナイフリッジ近辺に出た(写真下)。まさかこんなところに出られるとは思わなかったのでびっくりするが、今年は雪が多いためだろうか。PVIIの頭と見られる場所にはキノコが発達しており、稜線にでるのはかなりの苦闘が必要だったであろう。。。

核心部を割愛してしまった我々だが、すでに時間は2時。ここから上に進みたいが、不安定な雪壁が見える。今年の大雪のためか?R&Bの記録にも悪いという記載はないのだが。。。一番の問題は不安定な雪壁を行く際のビレイ点が得られないことにあった。スタンディングアックスはもしフォールしたら下はスッパリと切れ落ちているので引きずりこまれる可能性もあるし、、、でもまあもう少しいってみようということで雪壁を潅木めがけてトラバースした(写真下)。雪は思ったほど悪くなく、1ピッチですんなり抜けた。もう1ピッチMさんが伸ばし、小岩壁の下と思われる場所に出た。R&Bの記録だと、左にトラバースし、草付を上がればもうPVIIIのはずなのだが、Mさんいわく、かなり悪そうだということで正面突破を選択。ボルトが1本あったようだが、苦闘しているうちに4時近くなってきたので、ここの2ピッチをFIXし、明日ここを突破しましょうということで下降し、岩陰でビバークすることにした。明日は天候が崩れるらしいから、このまま大沢を駆け下るか、明日頂上に向かうか悩んだが、降りたら後悔するような気がしてがんばることにした。ていうか、すでに核心部をパスするというチョンボをすでにやらかしているのだが・・・

岩陰のビバーク地はなかなか快適。夕ご飯はパスタ。焼酎のお湯割などを飲み、互いのお仕事の話などをする。MさんともNさんとも一度も山に行ったことが無かったもので。8時ごろ寝る。

<2/12>
5:00 起床(寝坊・・・)
6:40 FIX回収に出発
8:00 大沢下降開始
9:15 品沢高原 車デポ地点
10:30 合庁
朝起きると雪が降る音がする。テントも雪が積もって押されている。外に出ると30cmくらい積もったようだ。今も降りつづけている。ガスと降雪で視界も悪い。ただでさえ大沢の下降が不安なのにこれ以上降られると下降がやばいということで、FIXを撤収し、下降しようという話になる。下降の経路もいろいろ話すが、結局、大沢を選択する。
FIX回収時に例の草付を見るが、70度くらいの草つきのルンゼで、ランニングさえ適当に取れれば抜けられそうだ。これは次回のお楽しみということで、下降する。

新しく積もった雪はふわふわで谷の両岸から塵雪崩がサラサラときれいな音を立てて落ちてくる。壁なので積もらずに落ちてくるという感じなので、それほど恐怖心はない。朝、小さいピットを掘るが、コンプレッションをしてみてもCTM@30cm/5回なので、(スキーではないので)少しでも安全なライン取りをすれば、下山には十分だろう(と思うようにする)。この30cmも新雪とクラストとの境界なので、このフワフワ新雪ならスラブとして落ちはしないだろう(根拠はないが)と願いながら降りる。Mさんはミジンコの心臓の僕とは違い大沢のど真ん中をわき目も振らず堂々と降りている。僕はあっちをキョロキョロ、後ろでNさんがコケて、きゃっというとびっくりすること数回。二股を過ぎるころから緊張から開放され始めた。結局、1時間ちょっとで品沢高原まで下降できた。
<所感>
結局、どたばたした割に何も登れなかったが、P4の偵察もしたし?、まあ、そこそこ楽しかったのでよしとする。戸隠に来たのは4年ぶりだったし。
大沢アプローチは初めてだったが、P3-P5の構造が見えて、良い経験だった。悪い雪との格闘も久々だったが、ワタクシなりにがんばれたのではないか。Mさんと3月に再び来ることを約束して下山した。
大沢をスキーで滑るというのは、デブリで埋め尽くされる前、2月下旬から3月上旬なら十分可能である気がした。ラインは大きく二つ。一つはP4,P5間のルンゼ。今回のビバーク地付近からの滑降。雪崩斜面だが、滑れたら最高だろう。もう一つはP3の大岸壁帯に伸びるルンゼ。こちらの方が斜度もゆるく、楽しめそう。
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